「江戸川乱歩と大衆の20世紀展」東武会場

日本酒「乱歩 幻影城」

池袋東武百貨店で開催中の「江戸川乱歩と大衆の20世紀展」へ。

以前からさまざまな告知で乱歩邸が公開されることは知っていたが、本日の朝刊読書面で開催中であることを知り、調べたところ8/19〜8/24の開催とのこと、この週末しか行けないではないか。行かずばなるまい。あわてて昼食を摂ったあと妻を伴い車で池袋へ。

今回の「江戸川乱歩と大衆の20世紀展」は、メインの展覧会が池袋東武の10階でおこなわれており、特別会場として旧乱歩邸が公開されている。まずは東武の展覧会場へ。
日曜日ということもあり展覧会場は盛況で、10代とおぼしき若い女の子や子供連れや30〜40代の男性、あるいは年配の方まで、自筆原稿などを食い入るように見ている。乱歩人気はまだまだ幅広い年齢層で根強いようだ。

展示物はほぼ時代ごとにいくつかのコーナーに分かれていて当時の風俗資料なども豊富。
個人的に興味深く見たのは、「D坂の殺人事件」下書き(定稿とは大幅に異なる)、「人間椅子」「二銭銅貨」などの草稿(この二つは図録に掲載されていない)、「デビュー前の各種映画論原稿」など。ただし、いずれも原稿用紙1枚目の右半分しか閲覧できない。公刊求む。

売店で入手したのは、展覧会図録(500円)、「谷根千」其の七十七・江戸川乱歩特集、出たばかりの光文社文庫小林信彦「回想の江戸川乱歩」。刊行中の光文社文庫版全集は、詳細な異同が魅力的ではあるのだが、今のところ見送っている。推理文庫特別補巻「貼雑年譜」が増刷(第6刷)されているので未入手の方はどうぞ*1。2001年に出た東京創元社から出た上下2冊限定200部本もある。税抜315,000円。

ところで、乱歩の全集は大体10年に一度ぐらいのペースで刊行されてきている。ここ最近の例でいうと即ち、

  1. 昭和40年代の講談社15巻本(三島・清張・河太郎編集、グラビアページが豊富)
  2. 昭和50年代の講談社25巻本(横尾装)
  3. 昭和60年代の講談社江戸川乱歩推理文庫版全65巻+貼雑年譜
  4. そして今回の光文社文庫版。

内容にもそれぞれ違いがあるが、個人的には内容で推理文庫版、装幀で横尾装の25巻本を採る。次回の平成25年版(勝手に決めてるが)では、今回展示されていて公刊されていないものや、書簡類等の断簡零墨もふくめ、文庫ではなく単行本サイズで全46巻とか希望。
さらに会場を出たところで出店があり、そこで乱歩生誕の地である三重県名張市 木屋正酒造の日本酒「乱歩 幻影城」を購う。隣の山本松寿堂「乱歩煎餅 二銭銅貨」は見送り。

*1:Amazon紀伊国屋BookWebでは入手不可のようだ